1月21日、金沢大学融合学域と先端観光科学研究所は、角間キャンパス自然科学本館において、長野県白馬村との連携協定締結式を行いました。この協定の目的は,観光イノベーションの促進および地域社会の発展を目指した双方の連携です。
締結式では丸山俊郎白馬村村長、飯山宏一融合学域長、堤敦朗先端観光科学研究所長が出席しました。
丸山村長の挨拶では、「国連世界観光機関から「ベストツーリズムビレッジ」に認定され,白馬村観光局は国内で4例目となる「先駆的DMO※」に選定されるなど,特にスキーリゾートとして国内外から注目されていますが、金沢大学と連携することでデータに基づく政策策定がさらに進み、持続可能な観光地域づくりを目指したい」と期待を込められました。
堤所長は、今回の協定について、「白馬村を新たな観光イノベーションを生み出すための教育・研究の場として発展させていきたい」と期待を述べました。
また、先端観光科学研究所は昨年度に白馬高校と協力し、村内の人流データ解析を開始しています。堤所長は、データ化によって大学が実証できることは、観光地として魅力を周知するための「共感の源泉」の解明、オーバーツーリズムの課題解決となる「移動の評価と最適化」の評価、デジタルノマドなど2拠点生活を念頭においた「新しい共有の形」、この3点であると説明しました。
白馬村では2014年に発生した神城断層地震から10年が経過し、その遺構をめぐる「復興ツーリズム」も展開しています。金沢大学は能登半島地震の復興に取り組んでおり、復興経験や防災の知見の分野においても白馬村と連携していくことも話題にもなりました。
飯山宏一学域長は、スキーシーズンに限らず通年、科学としてデータ解析をすることで石川県内の観光振興に展開することも可能である考えを述べました。白馬村と北陸地方を結ぶ観光促進にもつながることを期待されます。
今回の連携協力事項は以下のとおりです:
(1)共感・移動・共有に関するサイエンスとしての「観光科学」の確立に関すること
(2)観光イノベーションと持続可能な観光振興を実現するための取り組みに関すること
(3)新たな観光価値を創出することができる人材の養成に関すること
(4)地域間連携による広域観光の可能性の追求に関すること
(5)その他前条の目的を達成するために必要な連携・協力
本協定の締結により,観光科学の研究を基盤とした新たな価値の創出,持続可能な観光振興,人材育成,地域住民の福祉、広域観光の推進を目指します。
※「先駆的DMO」:世界に誇れる持続可能で国際競争力の高い魅力ある観光地域づくりを行う
「世界的なDMO」を目指す観光地域づくり法人(DMO= Destination ManagementOrganization)のこと。
観光庁が選定し、戦略的な伴走支援等を実施。