2024年10月25日、石川県立図書館研修室にて、第一回「のと里山里海カフェ」が開催されました。先端観光科学研究所の菊地直樹研究室が主催し、今回は「のとの里山里海と私たちの未来」をテーマに岐阜大学地域協学センター助教の伊藤浩二先生が話題提供者となり、能登からの6名を含めた40名が参加しました。
「のと里山里海カフェ」は、コーヒーなどを飲みながらフラットに市民と専門家が「対話」をする場として企画されました。能登と金沢を会場にし、さまざまな立場の人たちと「対話」を通じて、能登の未来を考える機会をつくり、震災からの復旧復興につなげていくことを期待しています。
菊地先生のオープニングのあと、伊藤先生が「のとの里山里海と私たちの未来」をテーマにこれまでの研究や考察などを講演しました。講演後、伊藤先生から参加者に「復興の土台となる里山里海のつながりを増やすことが能登の復興につながるのではないか」という話題提供となる問いかけがあり、そこから参加者との対話が始まりました。
伊藤先生の講演
年齢や職業などさまざまな参加者から、「能登の歴史的な視点や地理的枠組みからの役割という観点から能登を捉え未来の話を考える必要があるのではないか」、「そもそも先進的な取り組みをしてきた地域であるので潜在的に変化を受け入れる気質はあると思われる。今回の復興については在住者のニーズや支援として能登に入ってくる人のニーズや希望などを把握することが大切なのではないか。」など、洞察に富む意見がいくつも上がりました。
能登からの参加者や能登在住経験のある参加者からは、現地の人の目線からの意見も上がり、「対話」を通じてお互いに共通する能登への強い思いを感じられる会となりました。
最後に菊地先生が「能登は少子高齢化の課題という点では日本の未来を先駆けて投影している地域でもあり、簡単に描けるものではないかもしれないが、このような機会を通じて一緒に活動できそうな人と未来につなげていきたい。次回以降は能登で開催することでこの「対話」を発展させていきたい。」とまとめました。参加者みなさまとの「対話」はつきませんでしたが、なごりおしく閉会となりました。
今回の「対話」をまとめる菊地先生